■#16 2009.3
タマキコージ+イシハラマリコの復縁のニュースをテレビで観て驚いた私です。
年甲斐もなく、ハシャぐ姿はかつてのルミ子+ケンヤを連想させ、背中に悪寒が走りました。
イイ大人が昭和丸出しのペアルックでテレビに出て、にやけた顔で変な事を言う。
やはり、恋は盲目なのでしょうか?
しかし、そんな恋より盲目的なものが世の中にはあります。
それは宗教です。
皆さんは、今では当たり前に松下が男前だと思っていますが、中世の日本では美男美女の基準が大きく違っていたのです。
平安時代では、一重マブタにシモブクレの、まるで溶けた雪見だいふくのような顔が美男美女とされていたのです。
960年。
内裏で流行性耳下腺炎が猛威を奮いました。
一夜にして頬が膨れて誰もが美男美女になれることから貴族達は『福来病』と名付けてハシャいでいたそうです。
これが現在の『お多福風邪』命名の由来です。
そして、時は流れて1964年。
ついに松下一郎が世界に登場!
その時から、美男美女の基準は
『タレ目』
これが第一条件になりました。
生まれつきタレ目なら文句なし!ですが、誰もがそうはいかないのが世の中。
タレ目に生まれなかった者はどうすればいいのか?
『私だってメシアみたいな立派なタレ目になりたい!キレイになりたい!』
そう叫ぶ、年頃の女子達がいました。
タレ目に見えるパンダが、実は目が小さいという事実からヒントを得た彼女達は、黒いシャドゥにアイライナーで
目の回りを真っ黒に塗り、大げさなツケマツゲを施して、銀座のみゆき通りを自信満々に闊歩し始めました。
メシア登場の1964年。
みゆき族の誕生です。
当時はゲーノー人や金持ちの一部の人達のみが整形でタレ目にする事ができました。
これが『タレ目カースト制度』です。
この制度は長く続きましたが、医学の進歩が、この不平等な制度を打ち破りました。
より、安全で安価なタレ目施工手術が可能になったのです。
最近では一般人もプチ整形というライトな感覚でタレ目施工手術を受けてます。
特に、お隣の韓国では既に常識。
整形しなくてもアートメイクなるもので刺青のようにアイラインを入れ、タレ目に見せる簡単な方法も定番になりました。
女子高生などは、かつてのみゆき族以上に、太いアイラインで強引にタレ目を作り上げています。
強引なタレ目同士でプリクラを撮って喜ぶ、微笑ましい姿はもはや、日常的になりました。
よく化粧品のCMで使われる『目ヂカラ』とは、タレ目に見せる為に、強引にアイラインを引く力の事です。
『 彼女、目ヂカラあるね 』
と言われている人は、アイラインがかなり下に向けて描かれいると思って間違いないでしょう。
かつては
『 君の瞳に恋してる 』
『 君の瞳に乾杯!』
しかし今では、それだけでは不十分。
ってか間違いです。
『 君のタレ目に恋してる 』
『 君のタレ目に乾杯!』
これが、正解です。
ホワイトデーに向けて、一発ブチかましたい男子は、覚えておいて損はないでしょう。
以上の事からも、メシア登場以前と以降では、価値基準が大きく変わってしまった事がお分かりいただけると思います。
真の宗教とは、図らずとも時代や文化を造ってしまうものなのです。
全てはメシアを妄信するあまりの現象。
やはり、メシアの力は偉大なり!
TEXT / スズキ キヨミ
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