田中ゲタ吉翼賛会(仮)
田中ゲタ吉翼賛会(仮)
『続・ゲゲゲの鬼太郎』 作品概要
最終更新日: 2010/6/25


 昭和40年代、ブームに乗ってマガジン、サンデーで描かれた「墓場の鬼太郎」〜「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズの終了後、 昭和52〜53年に成人向けとして週間実話用に描かれたシリーズが「続。ゲゲゲの鬼太郎」である。  小学生だった鬼太郎がこのブランクの間に高校生に成長している点が他のシリーズとは決定的に異なり、まさに「アフター・鬼太郎」と 呼べる構成となっている。

その特異性やアダルト層向けの作風など、ファンには周知のシリーズでありながら鬼太郎作品全般からみると人気のシリーズとは言い難く、 水木作品を語る中ではとかく埋没しがちである。  しかしながら、少年誌の意向に傾倒した派手なヒーロー路線ではなく、少年誌ゆえの制約から解放された本シリーズは 他のアダルト向けのサラリーマンシリーズなどの社会風刺作品や初期貸本作品と同様、鬼太郎親子の生活は地味でさえないものであったり、 主キャラクターの顕著な水木しげるタッチなど、数あるシリーズの中でも見過ごせない要素が多いのも事実である。
一ファンのマイブームとして、この点を重視して見直そうというのがこのコーナーの趣旨である。

他の水木作品やシリーズでもよく見受けられるが、設定やデザインにおいて詳細な点は過去の作品とは一致しない事が多いが、 この[大家が大胆に書きなぐった]如きアバウトな傾向も、水木伝説では「水木イズム」的精神の一要素としてみている。  しかしながらこの「続・ゲゲゲの鬼太郎」では「幽霊一家」(鬼太郎の誕生)からの構成をしっかり引き継いでいたり、超能力を持つ者が 必ずしも恵まれておらず社会から虐げられた生活環境だったり、初期作品の社会派な要素を感じさせる。  そういったある種一本筋の通った鬼太郎ヒストリーの一部、という見方で読み直すと幾分価値観が変わってくるのではないだろうか。

「続・ゲゲゲの鬼太郎」から続いて掲載された「新・ゲゲゲの鬼太郎」においては、突如、再び学生服とチャンチャンコに身を包み、 正義の味方へ回帰する! これもまた「水木イズム」なのである。


関連作品の収録一覧

「続 ゲゲゲの鬼太郎」〜「新 ゲゲゲの鬼太郎」
(週間実話を中心に掲載)

(■:収録 □:未収録) ■:扶文庫「その後のゲゲゲの鬼太郎」文庫 ■:講談社・KCSP  ■:中公・ 愛蔵版Life
※定義付けとして鬼太郎が高校生設定(と思われる)作品を「続」と表記しています

1977//続「貧乏劇画家」
1977//続「幽霊家主」【ちくま・京極夏彦が選ぶ!水木しげるの奇妙な劇画集】収録
1977//続「皮はぎ魔」
1977//続「悪魔払い」
1977//続「妖虫」
1977//続「川猿」
1977//続「ダメな死神」
1977//続「タコ人間」
1977//続「招かざる客」
1977//続「円盤じいさん」
1977//続「精露丸」
1977//続「立体テレビ」
1977//続「ろくろ大合戦」
1977//続「尻子玉」
1977//続「チンポコ消失」
1977//続「羽衣」
1977//続「浮気部長」
1977//続「猫娘」
1977//続「肉ぶとん」
1977//続「運命」
1977//続「貧乏くじ」
1977//続「キノコ」
1978//続「相撲の巻」(スポーツ狂時代)
1978//続「野球狂の巻」(スポーツ狂時代)
1978//続〜新「UFO宇宙突撃隊」
1978//新「タイムマシン」
1978//続「幽霊自動車」
1978//新「ロケットハウス」
1978//新「竹やぶの小人」【中公・Life 大首】収録
1978//新「火星人現る」
1978//新「エンバン実験」【中公・Life 大首】収録
1978//新「不思議な家」
1978//新「猫町切符」
1978//新「宇宙人落下」【中公・Life エンバン実験】収録
1978//新「ムーン大王」
1978//新「狸ばやし」【中公・Life 大首】収録
1978//新「メキシコの石」
1978//新「かくれ蓑」
1978//新「終末株式会社」
1978//新「海坊主」
1978//新「脱衣婆」【中公・Life ブエル】収録
1978//新「透明人間」
1978//新「悪魔博士」
1978//新「二人狸」
1978//新「わんたん妖怪」
1978//新「影くい猫」【講談社・水木サンの猫】収録
1978//新「死人列車」
1978//新「つきもの」【中公・Life 大首】収録
1978//新「海坊主先生」【週刊少年マガジン】掲載

「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」
(月刊少年ポピーに掲載)

■:角川文庫 ■:講談社・KCSP ■:講談社・KCDX雪姫ちゃん編

1980//雪姫「雪姫ちゃん登場」
1980//雪姫「ニセ鬼太郎」
1980//雪姫「宇宙人レストラン」
1980//雪姫「狐つき」
1980//雪姫「ねらわれた雪姫ちゃん」
1981//雪姫「妖怪いやみ」
1981//雪姫「鬼妖怪」
1981//雪姫「妖怪実力選手権大会」
1981//雪姫「化けグモ」
1981//雪姫「大ダコ」
1981//雪姫「妖怪傘化け」

その後のゲゲゲの鬼太郎(文庫版) 扶桑社文庫(1995)
「続ゲゲゲの鬼太郎」を収録

その後のゲゲゲの鬼太郎 (1) その後のゲゲゲの鬼太郎 (2) その後のゲゲゲの鬼太郎 (3)

新ゲゲゲの鬼太郎(単行本) 講談社KCSP(1985〜1986)
主に2、3巻に「続ゲゲゲの鬼太郎」を収録

新ゲゲゲの鬼太郎 (1) 新ゲゲゲの鬼太郎 (2) 新ゲゲゲの鬼太郎 (3)


京極夏彦が選ぶ!水木しげるの奇妙な劇画集 水木サンの猫
←京極夏彦が選ぶ!水木しげるの奇妙な劇画集
(2001)
「続ゲゲゲの鬼太郎」第2話収録


→水木サンの猫(2008)
新ゲゲゲの鬼太郎「影くい猫」など新と続の3本を収録


新ゲゲゲの鬼太郎 (4) 雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎
←新ゲゲゲの鬼太郎 (4)
講談社KCSP(1986)
「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」「新ゲゲゲの鬼太郎」収録


→雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎
角川文庫(1995)


水木ファン界のアルカイーダ
初の完全収録で再販・今買える「続・ゲゲゲの鬼太郎」〜「新・ゲゲゲの鬼太郎」出版情報A
水木ファン界のテロリスト
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