その後のその後のゲタ吉
1-2
スズキキヨミ

Vol.2 「あいむ らびんいっ」

 今日、俺はついていない−。
そんな気がするのは、朝〇ックでの出来事からだった。

ドライブスルーでハッ〇ーセットを2個注文した。
鬼〇郎のオモチャが欲しいからだ。
全8種類でトーキング機能が付いている。
2個注文したのは、もちろん、フルコンプを狙っているから。
注文した後、店員の言っている事が聞きとれなかった。
若い女の声だ。
俺は最近のコムスメの、空気が漏れているような舌足らずの発語の、ヒアリングが苦手だ。
支払い額は自分で計算して解るが、その後何を言っているのか?
何度聞き直しても解らない…。
バックミラーを見ると後続車がいる。
前に進めと言ってたんだと分かった。
会計でのコムスメの言葉も解らなかった。
『ハッ〇ーセット、お2つで880円になります』と言っているのに決まっているんだが、
『ヒューマシャ、ヒャーヒャウヒャウシュ』に聞こえる。
俺はもう駄目だ…。
この時代を生きていく資格がない…、そう思えた。

『女優の娘は、どうして美人の母親に似てないんだろう?』等と考えながら、帰途に着いた。
部屋に戻って速攻、2つのオモチャを見ようと袋を持った瞬間、嫌な予感がした…。
………(絶句)。
同じ、親父が2個…。
袋を触れば 同じ物だと解るだろうが!
コムスメのバカヤロー!
箱じゃね〜んだ、袋だぞ?簡単だろ!
ましてや目〇親父だ。1番、わかりやすくはないか?
わざわざ2セット頼んでいるんだ、気付けよ!
何言ってるか解らないコムスメに、オモチャ運を託すしかないオレ…。 頼むから、オモチャを客に選ばせてくれよ…。
同じ事を喋る、2体の親父。
音声が荒く、3つの発言のうち、『鬼〇郎!』しか聞きとれない。 あの〇ックのコムスメのようだ。
チーズバーガーとポテトとファンタオレンジを、いつの間にか完食していた。
ハッピーとは、名ばかりなり!


■その後のその後のゲタ吉2-1へ

[ゲタ吉翼賛会1へ戻る]


2009 水木伝説オリジナル企画