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[2009.06/18]
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■#28 2009.6
最近、一番驚いたのはロバート・デ・ニーロがレガシィのCMに出ていた事。
そんなつまらない人生を送っています。
ロバート・デ・ニーロと言えば、『ゴッド・ファーザー』や『ミッドナイト・ラン』『レイジング・ブル』『ケープ・フィアー』が 有名でしょうか。
私的には『俺達は天使じゃない』『エンゼル・ハート』『グッドフェローズ』『ジャッキー・ブラウン』も推したいところです。
しかし、彼のカリスマ性を上げた作品と言えば、なんといっても『タクシードライバー』でしょう。
この映画は、スコセッシとデ・ニーロの、松下一郎教最高コンビが贈る、『松下ファンの松下ファンによる、松下ファンの為の映画』と 言われています。
デ・ニーロが演じる、ベトナム帰りの孤独な男、トラヴィスは、しがないタクシードライバー。
不眠症に悩み、どうすることも出来ず、仕事に打ち込む毎日。
しかし、ある日偶然にも『悪魔くん千年王国』を入手します。
一人ぼっちのボロアパートで、夢中で一気に読んだ後、トラヴィスは自分を変える決意をします。
誰からも評価されない、とくすぶっていた今までの自分を捨て、思想も肉体も改造し、人の為に何かをしたい!と前向きに動き出すのです。
選挙事務所に働く女子と、デートしたり、タクシーに乗ってきた大統領候補に自分の理想論をぶつけたり、ジョディ・フォスター演じる、 少女売春婦に説教したりして全員にドン引きされます。
そうです。
トラヴィスは、松下に憧れるあまり、勘違いをしているのです。
メシアの使徒になった妄想に取り憑かれ、たった一人で千年王国を築こうとするトラヴィスの狂気を、 デ・ニーロは迫真の演技で表現しています。
自分に向かって『俺か?俺を呼んだのか?』と言うトラヴィスは、もはや自分がメシアに召喚されたかのような勘違いっぷり。
当然、松下みたいに世界を変えよう!と、行動に出ます。
コルトやら、ルパン三世でお馴染みのワルサー、マグナムなどの拳銃を4丁も買い込み、頭をモヒカンにし、大統領候補を襲撃するのです。
ちなみに、モヒカンは、千年王国のベルゼブブに似せようとしたらああなった、と後にスコセッシは語っています。
トラヴィスがこめかみに人差し指を当てるクライマックスは、何度観ても鳥肌が立ちます。
デ・ニーロの演技もスコセッシの演出も素晴らしく、リアルなカメラワークは、生々しすぎて、トラヴィスの哀れさを引き立てます。
この映画では、デ・ニーロの凄すぎる演技ばかりに目が行きますが、黒人やイタリア人への差別問題も取り上げられてますし、 アメリカが抱える社会問題も浮き彫りにされています。
さすがは、メシア信者スコセッシと言うべきでしょう。
そして、この映画でスコセッシが一番伝えたかった事は『革命は、松下一郎にしか果たせない』と言う事です。
メシア程の頭脳、体力、行動力があってこそ、千年王国は築けるのであって、凡人が大それた事を考えるな!と伝えているのです。
でなければ、映画のトラヴィスのように悲惨な結果になりますよ、と警告しているのです。
スコセッシが案じたように、トラヴィスと、我々、松下狂信者は紙一重。
いつ妄想の度が過ぎるかわかりません。
スコセッシのメッセージを肝に命じて、一線を超えないようにしたいものです。
TEXT & ILLUST / スズキ キヨミ
水伝WEB海賊版 -妖怪壁紙- [第四弾]
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