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Vol.22 「 STAR WARS 」
近所にいつも、全身真っ白の服を着た男がいる。
別にオ○ム真理教ではない。
俺が子供の頃に既に兄ちゃんだったから、かなり年上だ。
俺が小学生の時に、いきなり倒れ救急車で運ばれた。
日本脳炎だったという。
俺が怪奇大学に通い始めた頃、ニートの露出狂になり近所を騒がせた。
白昼、公道でチビッコ達の前で堂々とウンコをすると言う。
しむけん好きのチビッコ達にとって、露出狂はスターだった。
しかし、露出狂のおかんは、宗教団体に入った。
同じ頃、ウチの敷地内にあるホースや、ゴミ箱に火を点けられる事件が起こり、やる気無さそうなポリスが、
やる気無いままダラダラと張り込んだ結果、火を点けたのは露出狂と判明した。
露出狂は、逮捕されずに精神病院に入院となった。
露出狂が退院する頃、俺は社会人になった。
露出狂は毎朝、何故か俺の車庫の前で露出するようになった。
俺は、露出狂を毎朝退かして出庫しなければならなくなった。
露出狂がなかなか退かない時は、遅刻した。
雨の日や、寒い時期は露出狂はいない。
遅刻は免れた。
露出狂はまた、精神病院に入院した。
露出狂が再び退院した頃、ウチの塀が小便臭くなりはじめた。
ある日の夜中に偶然、ウチの塀に露出狂が立ちションをしているのを見つけた。
俺の視界は露出狂をロックオンし、RPGのように『 戦う 』のコマンドが点滅した。
ゲタ吉のHPがあがった!
ゲタ吉のLVが99になった!
俺は静かに露出狂に近づいて、後ろから露出狂の頭を抑えた。
露出狂の小便が、奴の足にかかり悲鳴を上げた。
俺は面白くなって笑いながら、奴の頭を抑えたまま、ケツを膝蹴りした。
露出狂は泣きながら、小走りで帰った。
数日後、外に停めてある車のボンネットに、ウンコがしてあった。
アニマルのじゃない。
明らかにヒューマンなウンコ。
そんな事できるのは、アイツしかいない。
露出狂は再び、俺の車庫の前でフルチンで立ち始めた。
奴なりの宣戦布告だ。
俺は売られたケンカを買う事に決めた!
フルチン野郎の前でタバコに火を点け、縮みあがった奴のフルチンに近距離から投げつけてやった。
奴は『 熱っ!』と言ってパンツも履かず、チョコチョコと家に帰った。
翌日、また露出狂が立っていた。
俺は庭の木を揺さぶってカナブンを大量に落とし、両手でかき集め、冷静に奴の、村西とおる監督を彷彿させる白ブリーフとズボンを
上げ、白ブリーフの中に大量のカナブンを入れた。
奴は『 痛っ!』と言って、ぎくしゃくと歩いて家に帰った。
その翌日、懲りもせず、露出狂は立っていた。
俺は、前日の夜に見つけた武器を持って奴の前に立ち、白ブリーフとズボンを上げ、武器を白ブリーフの中に入れた。
奴は『 キャーッ!』っと悲鳴を上げて、ゆっくり歩いて家に帰った。
それ以来、車庫の前から露出狂の姿が消えた。
俺は最強の武器をもってして、スターを相手にしたケンカに勝ったのだ。
俺の勝利を決定づけた最強の武器。
それは前日の夜に我が家の冷蔵庫で見つけた、賞味期限切れのイカの塩辛だった。
露出狂は再び、精神病院に入院した。
露出狂のおかんは、カナブンやイカの塩辛をパンツの中に入れて徘徊した息子の白ブリーフを洗っていた。
不安になったおかんは、医者に相談したのだ。
『 もう病院から出さないで下さい 』と頼んだと言う。
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