|
Vol.25 「 存在の耐えられない軽さ 」
今日、帰宅するとおかんが
『 ゲタ吉、ゲタ吉!今日たむらに買い物行ったら、たむらのオヤジに何て言われたと思う?』
おかんは本日、近所の魚屋に買い物行って、そこの主人に何か言われたらしい。
いきなりのクイズ、しかもノーヒント。
『 さぁ?解るワケないやろ?』
おかんはしてやったり!という笑顔で話しだそうとする。
その表情が、仕事帰りの疲労感を倍増させた。
たむらのオヤジが、おかんに何を言おうと全く興味が無く、俺はシカトして風呂に向かった。
『 ゲタ吉!話終わってない!ちょっと!あんた、こっち来いって!この話、面白いから!笑うから!』
…しつこい!
うんざりしながら、おかんの前に立った。
『 たむらのオヤジ、胃ガン!あんた、知ってた?アイツ、痩せたやろ?胃が半分無いから!
あのオヤジ、私の顔見て、田中さん、顔にいいもん付けてるね〜って笑うから、お母さん、嬉しくなってウチに着いてからすぐに
鏡見たんよ!』
はぁ?
胃ガンは関係ないの?
『 鏡見たらね、お母さんの鼻の横に、でっかいハナクソ付いてた!ハハハ!』
…くだらね〜。
おかんはコタツを叩きながら爆笑していた。
鏡を見るまで、自分の顔に何が付いてると思って嬉しくなったんだろう?
『 も〜、嫌んなるわ!
たむらのオヤジもおかしかったやろ〜な!
お母さん、いつから、あんなでっかいハナクソ付けてたんかな?
昼に歯磨きした時は無かったけどな!
あんなでっかいハナクソ、全然気付かんかったわ〜!あんなでっかいハナクソ、もう一回、鼻の穴に入れろって言われても入らんわ!』
嫌気がさして脱力している俺に、おかんはテレビに顔を向けたまま、こう言い放った。
『 あ!相棒始まる!ちょっとあんた、いつまでそこにおるの!
邪魔やから!
いい加減、風呂に入れば?
お母さん、相棒見るから、あんたなんかの相手出来んから!
あ〜、薫ちゃん、いなくなったら、相棒も寂しいわ〜。』
釈然としねぇな…。
俺は、静かに風呂に浸かった。
ちゃぽ〜んという音が虚しく、風呂場に響いた…。
Vol.26 「 朝マックしよう 」
朝、まるよの生クリーム大福キャラメル味を食べながらMacのデスクトップの壁紙を、アニメ墓場鬼太郎に変えて、満足してまた寝た。
俺は寝るのが大好きだ。
ついでに甘い物も大好きだ。
スイーツなんてチャラい言い方はしない。
甘い物だ。
まるよの生クリーム大福キャラメル味にハマっている。
おかんが、いくら隠そうと必ず見つけ出し、ガッツリ食べる。
おかんはママ母なのか?と思うくらいに、生クリーム大福を隠す。
でも生クリーム大福の神チャマは俺に味方し、いつも見つけ出す事ができる。
大体、あんなジャージのズボンの後ろからトイレットペーパーをはみ出させて歩いているようなババァに、
まるよの生クリーム大福キャラメル味はもったいない。
雪見だいふくで十分だ。
今日も見つけられた!
柔らかくて甘い生クリーム大福♪
ふわっと口で溶けて、甘い霧の中にいるよう…。
オイラ、幸せだぁ…。
お陰でMacに白い粉の付いた指あとがいっぱい付く。
でも、眠いから後で拭くことにして、ベッドに戻る。
こんな生活もどうかと思うが、睡魔と闘うのは苦手だ。
俺についている睡魔は、人様のより強いのだ。
大体、俺は夕方の4時頃から調子が出てくるタイプだ。
そんなワケでMacもスリープ、俺もスリープ。
|
|