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PS. フハッ掲載分、次回からは何とか画質対策しまス‥
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Vol.30 「 ナイトメア・ビフォア・クリスマス 」
今日はクリスマスイブ。
クリスマスになるとスペアリブが食べたくなる。
その理由は数年前の12月に遡る。
大学時代からの友達に肉屋の娘がいた。
その肉屋の娘は、俺の友人と付き合っていた。
そいつは水商売をしていて、巨根だった。
あまりの巨根ゆえに、みんなから『 馬 』と呼ばれていた。
みんなで温泉に行って並んで体を洗っていた時、誰かが湯を流したら、いきなり
『 熱い!』
と馬の声がした。
イスに座って亀頭が床についていたのだ。
12月の半ば、もうすぐクリスマスという頃、肉屋の娘に
『 ウチに遊びに来て 』
と呼びだされた。
俺は喜んで遊びに行った。
理由は、遊びに行くと、いつも親父が、自慢のスペアリブを焼いてくれるからだ。
肉屋の親父は
『 肉は骨付きが一番ウマい!』
とこだわりを持っており、厳選されたスペアリブは、流石にハンパない美味さだ。
肉屋の娘の部屋に入ると、早速スペアリブが出された。
俺は一気にテンションが上がり、肉にかじりついた。
肉屋の娘が喋り出す。
『 昨日、馬のアパートに行ったら…』
クレイジーソルト好きの俺に合わせて、ブラックペッパーとピンクペッパーがふってある。
『 玄関に女のブーツがあって…』
ハーブの香りもいい。
厳選された肉なので臭みがないから、ハーブの香りが爽やかに口の中に広がる。
『 馬が、びっくりした顔で玄関に出てきて…』
塩加減も絶妙!
肉汁の甘さが引き立っている。
『 このブーツ、誰の?って聞いたら、馬、何て言ったと思う?』
柔らかくて、少し噛んだだけで、溶けるような舌触り。
『 俺の!って!』
骨からも、すんなりと肉が離れる。
肉もいいが、焼き方、味付けも最高!
ヤバい!ヤバすぎる!
流石だ、親父!
『 ちょっと!肉ばっか食べてないで、何か言ってよ!』
肉屋の娘は、俺からスペアリブを引ったくった!
中学時代、カツアゲでならした強引さは、いまだ健在!
『 女癖が悪いの、知ってて付き合ったんだから、仕方ないやろ 』
スペアリブを見ながら、答えた。
心の中では、
『 はい!何か言いましたよ。もう食べていいですか?』
と聞いていた。
『 そりゃ、そうやけど…。
クリスマス前ってひどくない?』
人が食ってるスペアリブを引ったくる方がもっと、ひどくない?
『 も〜!最悪〜!ねえ!クリスマス付き合って〜!』
俺、最悪〜!
というワケで、その年のクリスマスは、肉屋で肉三昧。
親父は、俺の食いっぷりが気に入ったと、喜んでいた。
俺も、親父の焼いた肉が気に入った!
と、言うわけで、肉屋の娘とはいまだに仲良くしている。
イヤミをいわれながらも、スペアリブをかじる俺は、三度の飯より、肉が好き。
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