×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

[携帯用]
御大は画業60周年 このコーナーの悪行はまだ1周年
田中ゲタ吉翼賛会(仮)
〜今回の名言〜  『 ナニ ゲロが出るほどしてほしい? 』
2010/5/17 [UP]


別窓表示

別窓表示







『 寝子☆』
(マクロスランカ風)
寝子
猫:「花見のカラオケはいずみたく〜♪」


パンク鬼太郎
鬼:「滝口順平?」
目玉:「レアじゃのぅ」


PHOTO / SATO



ゲタ吉翼賛会・バックナンバー

■MORE>> 01 / 02 / 03 / 04 / 05 / 06 / 07 / 08 / 09 / 10

■MORE>> 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19 / 20

■MORE>> 21 / 22 / 23 /


そのリアリズム・超ハリウッド級
Vol.32 「 フェイス・オフ 」


 友人達と、花見の計画を立てていた時だった。
『今年の花見は、おかん達も連れて行こうよ』
と言い出した奴がいた。

当然ながら、俺は猛反対した。
当然だ。
俺にとっては罰ゲームだ。
しかし、俺以外は『みうらじゅんの親孝行プレイもある事だし、ウチらもそんな事していい歳だよね』
とのん気に賛成しやがり、おかんを連れての花見が決定した。


それぞれの都合をつけると、夜桜見物となった。
花見当日、県下一の花見スポットに、おかんを連れて集合した。
全員が集まり、おかん達は笑顔で挨拶をし始めた。
息子達との花見に、おかん達は口々に『珍しいわ』『こんな事初めて』などと言いながらも喜んでいた。
ただ一人を省いては……。

ただ一人とは、ウチのおかんの事だ。
開口一番、
『ここ、小便臭いわ〜!いつも、ここは小便臭いよね!下水通ってる?下水!』
と辺りをウロウロしまわった。
いきなりのクラッシュだった。
俺達は何も言えなかった。
女社長である、友人のおかんが果敢に、ウチのおかんに近づいた。

『田中さん!今、下水なんか探さなくても。先にご飯食べに行こう?下水は後からにして』
と、軌道修正してくれた。
さすが、老舗の会社をまとめ上げている人だ。
マタドールのような鮮やかさで、ウチの猛牛を操った。

食事に行くまでの沿道には、団子や、せんべい、ソフトクリーム等が売られており、ウチのおかんは、全てを欲しがった。
勝手に列から離れ、店に駆け寄り『お姉さん、これいくらや?』と聞いている。
全く目が離せない状態だった。
他のおかん達は、行儀良く列をつき、夜桜を見て『キレイやね』といいながら、歩いている。
何故、あいつはそれが出来ないんだ。
昔からそうだった。
目先の物に気が行くと、突進して行ってしまうのだ。

俺が園児の頃、おかんとデパートに行った。
既に、おかんの習性を熟知していた俺は、おかんに『離れるな』とキツく注意し、念のために財布を預かった。
予想通りに、おかんは子供を置いて、どっかに行ってしまった。
俺は、そばにいた店員に『迷子になった』といい、お子様お預かりセンターへ行き、母親の名前、着ていた服の色を紙に書き、 係員に渡した。
泣きもせず、事務的に行動する俺は、かなり慣れているように見えただろう。
係員の人達は
『ボク、偉いねえ』
と、しきりに誉めていた。
迷子のお知らせのアナウンスの後、しばらくして遠くから、大声が聞こえた。
『アラー!この銀ギツネの毛皮安い!お姉さ〜ん!これ、後で見せて〜!私、今から子供取りに行ってくるから! あっ!迷子の所、ここ?ゲタ吉〜!』

俺は係員に、お礼を言って頭を下げ、おかんの元に戻った。

俺はラムネに近づきはじめた、おかんの襟首を掴んで、力づくで列に戻した。
いい加減、腹も減っていた。

御飯は畳敷きの和室で食べる事にした。
桜が満開の時期で、店も混んでおり、なかなかオーダーを取りに来ない。
おかんはトイレにでも行ったのか、姿が見えない。
他のおかん達は
『田中さんとこの、お母さんは元気やね〜』と引きつった顔で言っている。
そこへ
『はぁい!お待たせ〜!』
と聞き慣れているが、聞きたくない声がした。
おかんだ。
何故か、お茶の入った湯のみを乗せたお盆を持っている。

『ホラ、今ピークやろ?なかなか茶も持ってこんから、調理場行って、持って来たわ!』

そして『ピーク、ピーク』と連発しながら、唖然としている俺達の前に、湯のみを置いていった。
やがて、オーダーを取りに来た。
すると、おかんは立ち上がり、自分だけのオーダーを言って座り、涼しい顔で茶をすすった。
しばらく、時が止まった。

食事中、他のおかん達は『こんな楽しいのは久しぶり!来年も連れて来てね』と、俺達に言った。
が、ウチのおかんは
『私、花見なんかもういいわ!
SMAPのコンサートに連れてって欲しい!』
と言い出した。
凍てつく空気の中で、気を取り直した女社長が
『田中さん、SMAPよりも桜の方がキレイでしょ?』
といさめた。
しかし、
『ぜ〜んぜん!私、桜に興味ないから!たかが花やろ?
SMAPの方がいい!』
と力強く否定した。
何故、ここでSMAP?
その後は、ウチのおかん以外は全員黙って食事した。

隣の部屋は、外国人の団体で賑やかだった。

食事が終わり、そろそろ出ようかと言い出した頃に、トイレに立ったはずの、おかんの罵声が部屋の外から聞こえた。
『アンタね〜!さっきから何回トイレに行ってんの!私、ずっーと我慢してたんだから!私が先に入らせてもらうからね!』

外国人を怒鳴りつけて順番を抜かしてトイレに入る、ウチのおかんだった。

何故、日本が戦争に敗れたのか不思議だ。
勝てない理由がみつからない。

ウチのおかんを見て、そう思った。

トイレから帰ったおかんは
『あれ?いつの間にか、ジャケットが脱げとる!
誰?私の服を脱がしたの!』と
騒ぎ立てた。
ジャケットは食事中に、暑いと言って、おかんが自分から脱いでいた。

店を出て、夜桜見物をして、おかんはまた、トイレに向かった。
今度は園内のトイレだ。
おかんは、俺に
『トイレットペーパー、あるかな?』
と聞いてきた。
面倒臭くなっていた俺は
『拭かなくていい!』
と怒鳴りつけ、おかんをトイレに押しこんだ。
どうせ、いつもチビっているんだ、今更、拭いたってどうにもならない。

花見も終盤、園内のベンチでお茶を飲んでいた時だった。

おかんが突然、ガレッジセールのゴリの話をしはじめた。
『最近、あのゴリって奴、凄いわ!有名な監督の映画に出とる!
中国の映画や。主役や!』


……。
おかん…。
それはゴリじゃなくてトニー・レオンだ!



水木ファン界のテロリスト
水木ファン界のテロリスト

Copyright MIZUKI DENSETSU. 2010 All Rights Reserved